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2026年6月18日

売りたい

【不動産売却は仲介と買取のどちらがよい?価格・手数料・契約不適合責任の違いを解説】~価格・手数料・契約不適合責任の違いを解説~

 【不動産売却は仲介と買取のどちらがよい?価格・手数料・契約不適合責任の違いを解説】~価格・手数料・契約不適合責任の違いを解説~

1. 不動産売却は「高く売る」だけで判断しない

不動産を売却するとき、多くの方が最初に気にされるのは「いくらで売れるのか」という点です。

もちろん、少しでも高く売りたいというお気持ちは自然なことです。

しかし、不動産売却では、売却価格だけを見て判断すると、後から思わぬ費用や手間、責任が発生することがあります。

特に、古い建物、広い土地、境界がはっきりしない土地、給排水や造成が必要な土地、相続したまま長く使っていない不動産などは、単純に「市場価格で売ればよい」とは言い切れません。

不動産の売却方法には、大きく分けて「不動産仲介」と「業者買取」があります。

今回は、それぞれの違いと、どのような物件がどちらに向いているのかを整理してご説明いたします。

 

2. 不動産仲介とは

不動産仲介とは、不動産会社が売主様と買主様の間に入り、一般のお客様や法人、投資家などの買主を探す売却方法です。

一般的に「市場価格で売る」といった場合、多くはこの仲介売却を指します。

仲介の大きなメリットは、市場価格に近い金額で売却できる可能性があることです。

立地が良い物件、建物の状態が良い物件、すぐに住める物件、需要のあるエリアの土地などは、仲介によって高値で売却できる可能性があります。

一方で、買主様が見つかるまでに時間がかかる場合があります。

また、売買契約が成立した場合には、売主様に仲介手数料が発生します。

 

3. 市場価格で売却する場合の注意点

市場価格で売却する場合、買主様は安心して購入できる状態を求めることが多くなります。

そのため、売主様側で次のような対応が必要になる場合があります。

境界確定
給排水整備
造成、整地
解体
残置物処分
設備確認
契約不適合責任への対応
買主様からの要望対応

市場価格で売れたとしても、仲介手数料、測量費、造成費、給排水整備費、解体費、残置物処分費などを差し引くと、最終的な手残り額が想定より少なくなることがあります。

つまり、高く売れそうに見える方法が、必ずしも売主様にとって一番良い方法とは限りません。

 

4. 業者買取とは

業者買取とは、宅地建物取引業者が直接買主となって、不動産を買い取る方法です。

仲介のように一般の買主様を探すのではなく、不動産業者が自社で購入し、その後に測量、造成、給排水整備、解体、リフォーム、再販売などを行います。

業者買取の大きなメリットは、売却までの流れが早く、条件を整理しやすいことです。

宅地建物取引業者が直接買主となる場合は、仲介取引ではないため、売主様に仲介手数料は発生しません。

また、一般のお客様への売却と比べて、現況引渡し、契約不適合責任の免責、残置物、境界、給排水、造成、解体などの条件を相談しやすい場合があります。

 

5. 契約不適合責任を整理しやすい

古い建物や管理状態に不安がある物件では、売却後の責任をどこまで負うのかが大きな問題になります。

たとえば、引渡し後に雨漏り、シロアリ、給排水の不具合、地中埋設物、越境などが判明した場合、売主様が責任を問われることがあります。

業者買取では、買主が不動産の専門業者であるため、契約不適合責任を免責とする契約が可能な場合があります。

ただし、売主様が知っている不具合や問題点を隠してよいという意味ではありません。

過去の雨漏り、シロアリ被害、給排水の不具合、越境、近隣トラブル、建物の傾き、地中埋設物の可能性など、把握している内容がある場合には、事前にきちんと告知することが重要です。

分かっていることを正直に伝えたうえで、責任関係を整理して売却する。

これが、業者買取の大きな意味です。

 

6. 業者買取の価格が低くなる理由

業者買取は、仲介売却と比べると売却価格が低くなることが一般的です。

物件の状況によっては、市場価格の30%から50%前後が一つの目安になる場合もあります。

なぜ、それほど価格差が出るのでしょうか。

それは、買い取る業者が、購入後に次のような費用やリスクを負担するためです。

境界確定、越境確認、隣地対応
給排水整備、上下水道引込み、排水経路確認
造成、整地、進入路、擁壁、駐車場整備
建物、物置、塀、樹木、残置物の撤去
固定資産税、管理費、金利などの保有リスク
想定価格で売れない販売リスク
法令制限、近隣問題、地中埋設物などの契約リスク
再販売するための事業利益、会社経費、人件費

業者買取価格だけを見ると、安く感じられるかもしれません。

しかし、仲介手数料がかからないこと、売却前の整備費用を抑えやすいこと、売却後のトラブルリスクを軽減しやすいことを含めて考える必要があります。

大切なのは、売却価格だけではなく、最終的な手残り額と売却後の安心感です。

 

7. 売却方法を5段階で考える

不動産売却は、「仲介」か「買取」かを最初から二択で決める必要はありません。

売却方針を段階的に考えることで、状況に応じた判断がしやすくなります。

①市場価格で募集

市場価格の100%前後を目安に、最も高い価格帯での売却を目指します。

ただし、境界確定、給排水整備、造成、その他買主様からの要望対応が必要になる場合があります。

②反響を見た価格調整

市場価格の90%から95%前後を目安に、高値成約の可能性を残しながら、問い合わせを増やす段階です。

③成約重視価格

市場価格の80%から90%前後を目安に、実際の成約を意識した価格帯へ調整します。

④早期売却価格

市場価格の60%から80%前後を目安に、早期売却を優先します。

一般募集と業者打診を並行しやすくなります。

⑤第5段階 業者買取価格

市場価格の30%から50%前後を目安に、宅地建物取引業者による直接買取を検討します。

仲介手数料がかからず、契約不適合責任の免責や現況引渡しを相談しやすい方法です。

たとえば、市場価格を1,000万円とした場合、第1段階では1,000万円前後、第5段階では300万円から500万円前後が一つの目安になります。

もちろん、実際の価格は物件の場所、状態、法令制限、道路、給排水、需要、造成費用などによって変わります。

 

8. 業者買取に向いている物件

次のような物件は、業者買取を検討する価値があります。

  • 築年数が古い
  • 雨漏り、シロアリ、建物の傾きがある
  • 水回りや設備の修繕費用が大きい
  • 残置物が多い
  • 境界が未確定
  • 給排水に不安がある
  • 造成や整地が必要
  • 接道や再建築に不安がある
  • 駅や市街地から遠く、需要が限定される
  • 空き家期間が長い
  • 心理的要因や近隣トラブルがある
  • 共有名義や相続未整理など、権利関係が複雑
  • 早く現金化したい
  • 周囲に知られずに進めたい
  • 売却後の責任をできるだけ減らしたい

このような物件は、一般のお客様が購入を判断するまでに時間がかかったり、買主様から多くの要望が出たりする可能性があります。

市場価格で募集しても、境界確定、給排水整備、造成、解体、残置物処分、値引き交渉などが必要になり、最終的な手残り額が想定より少なくなることもあります。

そのような場合、業者買取は現実的な選択肢になります。

 

9. 不動産仲介に向いている物件

一方で、次のような物件は、不動産仲介で市場価格に近い売却を目指しやすくなります。

築年数が比較的新しい
建物の管理状態が良い
簡単な補修やクリーニングで利用できる
駅、商業施設、病院、学校などへのアクセスが良い
生活環境が整っている
日当たり、地形、道路付け、間口が良い
境界が明確
給排水に問題がない
すぐに利用しやすい
売却時期に余裕がある
内覧や価格交渉に対応できる
売却前の整備に対応できる

このような物件は、一般のお客様や法人、投資家などに提案しやすく、市場価格に近い金額で売却できる可能性があります。

ただし、仲介による売却では、仲介手数料が発生します。

また、買主様から境界確定、給排水整備、造成、解体、残置物処分、設備確認、価格交渉などの要望が出る場合があります。

 

10. 広い土地や分割売却には注意が必要です

広い土地を売却する場合、「大きな土地をそのまま売るより、2区画、3区画、5区画に分けて売った方が高く売れるのではないか」と考えることがあります。

確かに、区画を分けることで、1区画あたりの価格が下がり、買主様が検討しやすくなる場合があります。

結果として、総額では高く売れる可能性もあります。

一方で、個人の売主様であっても、土地を分割し、不特定多数の買主様へ反復継続して売却するような形になる場合には、宅地建物取引業法上の注意が必要です。

一般の個人が、自宅や相続した不動産を一度だけ売却する場合は、通常、宅地建物取引業には該当しません。

しかし、広い土地を複数区画に分けて複数の買主様へ順次売却する場合、複数の不動産を継続的に売却する場合、利益目的で転売を繰り返す場合などは、注意が必要です。

そのような場合には、売主様自身が複数の買主様へ販売するのではなく、宅地建物取引業者へ一括で売却する方法もあります。

 

11. 業者への一括売却という選択肢

宅地建物取引業者へ一括売却することで、売主様自身が不特定多数の買主様へ反復継続して販売する形を避けやすくなります。

買い取った業者は、その後に測量、分筆、造成、給排水整備、道路関係、開発許可、広告、再販売などを行います。

その分、買取価格は市場価格より低くなります。

しかし、売主様側の法的リスク、手続きの負担、売却後の責任リスクを整理しやすくなるというメリットがあります。

特に、広い土地、分筆が必要な土地、造成が必要な土地、給排水整備が必要な土地、相続人間の調整が必要な不動産などでは、業者への一括売却を検討する価値があります。

 

12. 迷った場合は、手残り額で比較しましょう

仲介か買取かを迷った場合は、売却価格だけで比較するのではなく、手残り額で比較することが大切です。

仲介で売却した場合の想定価格
仲介手数料
測量費
造成費
給排水整備費
解体費
残置物処分費
契約不適合責任のリスク
売却までにかかる期間

これらを差し引いた金額と、業者買取で早期に売却した場合の金額を比較します。

すると、表面上は仲介価格の方が高く見えても、最終的な手残り額では大きな差がない場合もあります。

また、金額差があったとしても、売却後の責任リスクや手間を避けたい場合には、業者買取の方が合っていることもあります。

13. まとめ

不動産仲介は、市場価格に近い金額で売却できる可能性がある方法です。

一方で、仲介手数料が発生し、境界確定、給排水整備、造成、解体、残置物処分、買主様からの要望対応、契約不適合責任など、売主様側の負担が発生する場合があります。

業者買取は、価格が市場価格の30%から50%前後になることがあります。

一方で、宅地建物取引業者が直接買主となる場合は仲介手数料がかからず、契約不適合責任の免責、現況引渡し、早期解決、売却後の不安軽減などを相談しやすい方法です。

不動産売却で大切なのは、「高く売ること」だけではありません。

売却までの期間、売却前の費用、売却後の責任、手続きの負担、最終的な手残り額を総合的に考えることが重要です。

(有)ユーハイムでは、物件の状態、売主様のご事情、法令上の注意点を確認しながら、仲介売却と業者買取の両面から、無理のない売却方法をご提案いたします。

不動産の売却でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。


📩 お問い合わせ:info@yu-haim.jp


湯 田 圭 一(ゆだ・けいいち)
(有)ユーハイム 代表取締役。1972年、東京都西東京市生まれ。
宅地建物取引士として約25年にわたり不動産業に従事。
茨城県宅地建物取引業協会 水戸支部 幹事として、地域不動産業界の発展にも注力。
空き家対策、相続不動産、事業用地のマッチングなど、実務に即した現場提案に定評がある。

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