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2025年11月14日

相続

【空き家は「売る前」に整理する】~実務から考える13の判断ポイント~

 【空き家は「売る前」に整理する】~実務から考える13の判断ポイント~

1.空き家の相談は「いくらで売れるか」から始めない
空き家のご相談で、最初に出てくる言葉はほぼ決まっています。
「これ、いくらで売れますか?」

決して悪い質問ではありません。
むしろ自然な反応です。
空き家を前にして、まず頭に浮かぶのは金額だからです。

ただ、実務の現場では、この質問から入ると判断を誤るケースが非常に多いのです。
理由は単純で、価格は単独で存在しないからです。

不動産の価格は
立地
建物の状態
法的な整理状況
共有関係
時間的な制約

これらがすべて絡み合った「結果」です。
一つでも欠けていれば、机上の金額にしかなりません。

実際の相談現場では、こうしたケースを何度も見てきました。
査定額だけを聞いて安心し、いざ話を進めようとしたら相続登記が終わっていない。
共有者の一人が売却に同意していない。
建物が長期間空いたままで、想定以上に傷んでいる。

この段階で初めて
「そんな話は聞いていない」
「思っていたより話が進まない」
という不満が出てきます。

しかし、それは誰かが悪いわけではありません。
順番を間違えているだけです。

空き家の相談で最初にやるべきことは、価格を当てることではありません。
その空き家が
動かせる状態にあるのか
今すぐ判断できる段階なのか
時間をかけるべき案件なのか

これを整理することです。

価格の話を先にすると、皆さんその数字に感情を固定してしまいます。
「このくらいで売れるはずだ」
「前に聞いた業者はもっと高いことを言っていた」

こうなると、現実的な判断が難しくなります。
結果として、売却も買取も進まず、空き家だけが残る。

だから私は、相談の最初にこうお伝えすることがあります。
「今日は価格の話はまだしません」

少し意外に思われるかもしれません。
しかし、その理由を説明すると、ほとんどの方が納得されます。

価格は、逃げません。
整理ができれば、いくらでも具体的に詰められます。
逆に、整理ができていないままの価格は、役に立たない数字です。

空き家の問題は、急いで答えを出すことではありません。
正しい順番で考えること。
その第一歩として、「いくらで売れるか」から入らない。

これが、実務の現場でたどり着いた結論です。


2.最初に整理すべき一つ目
相続登記が終わっているか

空き家の相談で、まず最初に確認するのが相続登記です。

名義が亡くなった親、あるいは祖父母のままというケースは、決して珍しくありません。

 

相談者の多くは、こうおっしゃいます。

「相続人は決まっています」

「兄弟で話はついています」

 

気持ちの上では、それで整理が終わった感覚になるのも無理はありません。

しかし、不動産の実務では、その感覚は通用しません。

 

不動産は、名義がすべてです。

名義が変わっていなければ、売ることも、買い取ることもできません。

これは仲介でも買取でも同じです。

 

相続登記が済んでいない空き家は、実務上は「動かせない不動産」です。

いくら立地が良くても、いくら需要があっても、手続きを進めること自体ができません。

 

実際によくあるのが、

査定を取り、方向性も決まり、いざ契約という段階で初めて相続登記の問題が表面化するケースです。

ここで初めて、司法書士への相談、相続人の確認、戸籍の収集が必要になります。

 

この段階になると

「思ったより大変だ」

「今すぐじゃなくてもいいか」

という空気になり、話が止まります。

 

相続登記は、感情の問題ではなく、事務と時間の問題です。

早く手を付ければ比較的スムーズに進むものも、

何年も放置されていると、相続人が増え、連絡が取れなくなり、難易度が上がります。

 

特に、

二次相続

代襲相続

相続人の一部が遠方に住んでいる

 

こうした条件が重なると、想像以上に時間がかかります。

 

「売るかどうか決めていないから、登記はまだいい」

この考え方もよく聞きます。

しかし、実務的には逆です。

 

売るかどうかを判断する前に、登記を済ませておく。

それによって初めて、選択肢が現実のものになります。

 

相続登記が済んでいない状態では、

売る

貸す

解体する

 

どの選択肢も、絵に描いた餅です。

 

だからこそ、空き家の整理で一番最初に確認するのが相続登記です。

ここが整理できていない限り、価格の話をしても意味がありません。

 

相続登記が済んでいるかどうか。

それは単なる手続きではなく、空き家を「動かせる不動産」にするための第一歩です。


3.二つ目に確認すること

共有者が誰で、何人いるか

相続登記が終わったとしても、それで安心はできません。
次に必ず確認するのが、共有者の問題です。

空き家は、相続によって共有名義になるケースが非常に多い。
兄弟姉妹二人での共有ならまだしも、三人、四人と増えるにつれて、判断の難易度は一気に上がります。

共有不動産の最大の特徴は、
意思決定の数だけ、前に進みにくくなるという点です。

売却、賃貸、解体。
どの選択肢を取るにしても、原則として共有者全員の合意が必要になります。
一人でも反対者がいれば、話は止まります。

ここでよくあるのが、
「自分は売りたい」
「兄は残したいと言っている」
「妹は判断を先延ばしにしている」

誰か一人が悪いわけではありません。
ただ、立場と生活環境が違えば、考え方が違うのは当然です。

問題は、誰が決める立場にあるのかが整理されていないことです。
共有名義のままでは、明確な意思決定者が存在しません。
全員が関係者であり、全員が当事者です。

その状態で価格の話をしても、話はまとまりません。
「もっと高く売れるはずだ」
「そんなに急ぐ必要はない」

こうした意見が並ぶだけで、結論には至らない。

さらに厄介なのは、時間が経つほど共有者が増える可能性があることです。
一人が亡くなれば、その持分は次の世代に引き継がれます。
共有者が増えれば増えるほど、調整は難しくなります。

実務の現場では、
最初は兄弟三人だった共有者が、数年後には甥や姪まで含めた五人、六人になる。
こうしたケースも珍しくありません。

この段階になると
売る
貸す
解体する

どの選択肢も、現実的ではなくなっていきます。

だからこそ、空き家の整理では、
誰が共有者なのか
何人いるのか
全員の意思は同じ方向を向いているのか

これを早い段階で整理する必要があります。

共有者の整理とは、感情を切り捨てることではありません。
話し合いの土台を作ることです。

誰が決める立場にあるのかが整理されて初めて、
仲介で売るのか
買取で整理するのか

といった現実的な選択肢が見えてきます。

共有者の問題を曖昧にしたままでは、
どんな査定額も、ただの数字に過ぎません。

 

4.三つ目の現実
固定資産税と維持費はいくらかかっているか

空き家は、使っていなくてもお金がかかります。
これは当たり前のようで、意外と見落とされがちな事実です。

住んでいない。
貸していない。
収入を生んでいない。

それでも、毎年確実に支払いは発生します。

まず固定資産税です。
評価額が低いから大した額ではないと思われがちですが、
何年も積み重なると無視できない金額になります。

次に管理の問題。
草刈り、庭木の剪定、簡易的な清掃。
自分でやるにしても時間と労力がかかりますし、
業者に頼めば当然費用が発生します。

さらに建物の維持。
雨漏り、給排水の不具合、外壁や屋根の傷み。
空き家は、人が住んでいない分、劣化が早く進むこともあります。

火災保険も忘れがちです。
「空き家だから最低限でいい」と思っていても、
無保険の状態で事故が起きれば、負担はすべて所有者に返ってきます。

これらを合計すると、
年間で数万円から数十万円。
物件によっては、それ以上になることもあります。

多くの方は、この数字を感覚でしか把握していません。
しかし、実際に年単位、十年単位で計算してみると、
表情が変わることが多い。

「とりあえず置いておこう」
この判断が、いくらのコストを生んでいるのか。
数字にすると、初めて現実として見えてきます。

特に注意が必要なのは、
共有名義の空き家です。
管理費や税金の負担を誰がどれだけ出しているのか。
ここが曖昧なまま放置されると、人間関係にも影響が出ます。

実務の現場では、
「毎年自分だけが払っている」
「他の兄弟は関心がない」

こうした不満が、後から表面化するケースを何度も見てきました。

固定資産税と維持費は、感情論を一度リセットしてくれます。
好き嫌いではなく、事実としてそこにある数字だからです。

この数字を把握した瞬間に、
売る
貸す
整理する

という判断が、初めて現実味を帯びてきます。

空き家の問題は、思い出だけでは解決しません。
数字から目を背けないこと。
それが、次の一手を考えるための重要な材料になります。




5.整理できない空き家は動かない
相続。
共有。
維持費。

この三つが整理できていない空き家は、現実には動きません。
仲介であっても、買取であっても同じです。
これは理屈ではなく、現場で何度も確認してきた事実です。

「とりあえず査定だけ」
「話を聞くだけ」
こうした入口で相談が始まっても、整理が追いついていなければ、結論には至りません。

相続登記が終わっていない。
共有者の意思が揃っていない。
維持費の負担が曖昧なまま放置されている。

この状態では、どんなに条件が良さそうに見える物件でも、実務は止まります。

不動産の取引は、感覚では動きません。
書類と合意と数字が揃って、初めて前に進みます。

よくあるのが、
「買ってくれる人が見つかれば、その時に整理すればいい」
という考え方です。

しかし、現実は逆です。
整理ができていない物件に、買い手は付きません。
仮に興味を示す人がいても、途中で話が止まります。

仲介の場合、
内覧まで進んだのに、共有者の一人が難色を示す。
価格交渉の段階で、相続の問題が表面化する。

買取の場合でも、
名義が整理されていなければ、契約そのものができません。
買取業者であっても、法的に不確かな物件は扱えないのです。

結果として、
話は宙に浮き、
時間だけが過ぎ、
空き家はそのまま残ります。

整理ができていない状態が続くほど、状況は悪くなります。
建物は老朽化し、選択肢は減り、調整は難しくなる。

だからこそ、空き家の問題は
売るかどうかを決める前に、整理することが重要です。

相続、共有、維持費。
この三つを整理することができれば、
仲介という選択肢も
買取という選択肢も
初めて現実のものになります。

整理は面倒です。
時間もかかります。
しかし、この工程を飛ばして近道はありません。

整理できない空き家は動かない。
これは厳しいようでいて、最も誠実な現実です。



6.空き家相談で最初に聞く質問
空き家の相談を受ける際、価格の話に入る前に必ず確認する質問があります。
それは、査定のためというより、物件が現実的に動かせる状態かどうかを判断するための質問です。

まず聞くのは、
誰が管理しているのか、という点です。

所有者と管理者が一致していないケースは多くあります。
遠方に住んでいて、近所の親族がたまに様子を見ている。
あるいは、誰も実質的には管理していない。

管理の主体が曖昧な空き家は、トラブルが起きやすい。
雑草、倒木、建物の劣化、近隣からの苦情。
これらが積み重なると、売却や買取以前に、周囲との関係整理が必要になります。

次に確認するのが、
最後に人が住んだのはいつか、という点です。

空き家になってからの期間は、建物の状態を判断する重要な手がかりになります。
数か月なのか、数年なのか、十年以上なのか。
期間が長くなるほど、見えない劣化の可能性は高まります。

水回りを長く使っていない。
換気がされていない。
こうした状態が続くと、外からは分からない問題が潜んでいることがあります。

三つ目が、
建物に手を入れた履歴はあるか、です。

いつ頃、どんな修繕をしたのか。
屋根や外壁、水回りに手を入れているか。
これは、建物の寿命や、今後かかる費用を見極める材料になります。

「古いけど、しっかりしている」という言葉だけでは判断できません。
記録や記憶をたどることで、初めて実態が見えてきます。

これら三つの質問には、共通点があります。
いずれも、数字の前に現実を見るための質問だという点です。

価格査定は、これらの情報が揃って初めて意味を持ちます。
逆に言えば、この情報が曖昧なまま出された価格は、参考程度にしかなりません。

相談者の中には、
「そんな細かい話は後でいいのでは」
と感じる方もいます。

しかし、後回しにした結果、途中で話が止まるケースを、私は何度も見てきました。

空き家の相談は、
いきなり答えを出す場ではありません。
現実を一つずつ確認し、判断の材料を揃える場です。

だからこそ、最初に聞く質問は決まっています。
この順番を守ることで、無駄な遠回りを避けることができます。


7.「価格の話はまだしません」と伝える理由
空き家の相談の場で、私は最初にこうお伝えすることがあります。
「今日は、価格の話はまだしません」

この一言に、少し戸惑われる方もいます。
せっかく相談に来たのに、なぜ一番知りたい金額の話をしないのか。
そう感じるのも無理はありません。

しかし、これは意地でも焦らすためではありません。
順番を守るためです。

最初に価格を出すと、人はその数字に気持ちを固定してしまいます。
「このくらいで売れるなら」
「この金額は下げたくない」

この段階では、まだ条件も整理も終わっていません。
それでも、一度頭に入った数字は、簡単には離れません。

実務の現場では、
最初に聞いた価格を基準にしてしまい、
その後に出てくる現実を受け入れられなくなるケースを何度も見てきました。

相続登記が未了だった。
共有者の一人が反対していた。
建物の劣化が想定以上だった。

こうした事情が後から分かっても、
「最初はもっと高い話だった」
という感情が残ります。

結果として、
話は進まず、
相談は長期化し、
時間も気力も消耗していきます。

これは、相談者にとっても、不動産業者にとっても、不幸な状況です。

だからこそ、最初にやるべきなのは、
価格を決めることではなく、整理のプロセスを共有することです。

何を確認するのか。
どこに時間がかかるのか。
どこで判断が必要になるのか。

この流れを最初に示すことで、相談者は落ち着いて話を聞くことができます。
自分が今、どの段階にいるのかが分かるからです。

整理のプロセスが見えれば、
価格は後からついてきます。
むしろ、その方が納得感のある判断になります。

空き家の問題は、感情と現実が交差するテーマです。
だからこそ、順番が重要です。

価格は大切です。
しかし、価格は最後でいい。
整理が終わってからでも、遅くはありません。

この進め方は、遠回りに見えて、実は一番近道です。



8.空き家は「思い出」と「不動産」を分けて考える
空き家の相談には、必ず感情が伴います。
それも当然のことです。

親が暮らしていた家。
家族が集まった場所。
子どもの頃の記憶が残る空間。

それを簡単に「売りましょう」と言われて、すぐに割り切れる人は多くありません。
むしろ、すぐに決断できない方が自然です。

問題は、感情があることではありません。
感情と実務が混ざり合ってしまうことです。

思い出が強いほど、判断は慎重になります。
「もう少し置いておこう」
「今は決めなくてもいい」

この選択自体が悪いわけではありません。
ただ、その間にも時間は確実に流れています。

建物は少しずつ傷み、
維持費は積み上がり、
選択肢は静かに減っていきます。

実務の現場でよく見るのは、
「気持ちの整理がつくまで」と言って数年が経ち、
いざ動こうとした時には、売るにも貸すにも条件が厳しくなっているケースです。

思い出は、心の中に残ります。
不動産は、現実の資産です。

この二つを同じ土俵で考えてしまうと、判断が止まります。
だからこそ、切り分けが必要になります。

思い出は、無理に手放す必要はありません。
写真を残す。
必要な物を整理する。
家族で一度、ゆっくり話をする。

一方で、不動産としての家は、
法的にどうなっているのか
数字としてどうなのか

ここは冷静に整理する必要があります。

感情を尊重しつつ、実務は淡々と進める。
この二つを同時にやろうとすると、どちらもうまくいきません。

だから私は、
「気持ちは気持ちとして大切にしてください」
「不動産の話は、別で考えましょう」
そうお伝えすることがあります。

空き家の問題は、急かされるものではありません。
ただし、止めたままにしていいものでもありません。

思い出を守るためにも、
不動産としての整理は必要です。

この切り分けができた瞬間、
相談は前に進み始めます。



9.兄弟姉妹で話が止まる理由
空き家の相談で、実務的に一番多い壁は何か。
それは、兄弟姉妹間の話し合いが止まってしまうことです。

きっかけは、ほんの一言です。
「そのうち考えよう」

誰かが強く反対しているわけではありません。
誰かが意地を張っているわけでもありません。
ただ、全員が決断を先送りにしているだけです。

しかし、この一言が、空き家を何年も止めてしまう原因になります。

兄弟姉妹は、それぞれ立場が違います。
住んでいる場所も違えば、家族構成も違う。
経済状況も、時間の余裕も違います。

ある人にとっては、
「今は忙しい」
「まだ決めなくても困らない」

一方で、別の人にとっては、
「管理が負担になっている」
「維持費を払い続けるのがつらい」

こうした温度差が、話を難しくします。

さらに時間が経つと、問題は複雑になります。
建物は確実に劣化します。
修繕費は増え、選択肢は減っていきます。

法的な面でも、
共有者の一人が亡くなれば、次の相続が発生します。
結果として、話し合いの相手が増え、調整はさらに難しくなります。

実務の現場では、
最初は兄弟三人だけだった話し合いが、
数年後には甥や姪を含めた話になっているケースもあります。

こうなると、
「誰が中心になって決めるのか」
が見えなくなります。

誰も悪くありません。
ただ、決めるタイミングを逃しているだけです。

空き家の問題は、待ってくれません。
時間が経つほど、建物の価値は下がり、
話し合いに必要な労力は増えていきます。

だからこそ、
完璧な結論を出そうとしないことが大切です。
まずは、方向性を共有する。
期限を決める。
話し合いの場を設ける。

これだけでも、空き家は少し動き始めます。

「そのうち考えよう」
この言葉を、
「いつまでに考えるか」に変えること。

それが、空き家を止めないための、現実的な第一歩です。


10.「仲介で出せば高く売れる」と言わない理由
不動産の相談を受ける立場として、
「仲介で出せば高く売れますよ」
そう言うことは簡単です。

実際、条件が良ければ、仲介で売った方が高くなるケースもあります。
しかし、空き家に関して言えば、仲介が常に最善とは限りません。

仲介とは、時間を味方につける方法です。
買い手が現れるまで待つ。
条件が合う人が見つかるまで続ける。

この「待つ時間」に、コストがかかります。

まず固定資産税。
売れるまでの期間が長くなればなるほど、確実に発生します。

次に管理の負担。
草刈り、簡易清掃、建物の見回り。
近隣からの連絡対応も含め、手間と気力が削られていきます。

さらに、見えにくいのが近隣対応です。
空き家は、どうしても周囲の目を引きます。
雑草、郵便物、老朽化。
苦情が入るたびに、精神的な負担も増えていきます。

これらは、価格表には載らないコストです。
しかし、実際には確実に存在します。

仲介で出した結果、
何年も売れず、
維持費と気疲れだけが残る。
こうしたケースも、決して少なくありません。

だから私は、
「仲介で高く売れますよ」と安易には言いません。

重要なのは、
いくらで売れる可能性があるか、ではなく、
どれくらいの時間と負担をかけられるか、です。

時間に余裕があり、管理も苦にならない。
その場合は、仲介が向いているかもしれません。

一方で、
早く整理したい。
これ以上、空き家のことを考え続けたくない。

そういう方にとっては、
価格だけを見て仲介を選ぶのは、必ずしも得策ではありません。

不動産の判断は、金額だけでは決まりません。
時間、労力、精神的な負担。
それらを含めて、初めて現実的な判断になります。


11.空き家の相談は「売らない」で終わることもある
空き家の相談を受けていて、
必ずしも「売りましょう」という結論になるわけではありません。

むしろ、整理を進めた結果、
売らない、という判断に落ち着くケースも少なくありません。

これは、判断を先送りにしているのとは違います。
状況を整理した上で、今は動かないと決める。
それも立派な整理です。

例えば、貸した方が良いケース。
立地や建物の状態によっては、
最低限の手入れで賃貸として活用できることがあります。
売却するよりも、一定期間収入を得た方が合理的な場合もあります。

次に、しばらく置いた方が良いケース。
相続人の気持ちがまだ整っていない。
共有者間での話し合いに時間が必要。
こうした場合、無理に結論を出す方が後悔につながることもあります。

また、今は何もしないという判断もあります。
維持費が比較的軽く、
将来的な選択肢がまだ残っている。
このような条件であれば、焦って動く必要はありません。

重要なのは、
何もしない理由が、整理されているかどうかです。

何となく放置しているのか。
意図を持って待っているのか。
この違いは大きい。

整理された「何もしない」は、次の一手につながります。
整理されていない放置は、状況を悪化させるだけです。

空き家の相談は、
必ず売るためのものではありません。
選択肢を一つずつ確認し、
今の状況に合った判断をするためのものです。

だからこそ、
売らない、という結論も受け入れます。
それが、その方にとって一番良い判断であれば。


12.それでも整理が必要な場合
ここまで整理を進めてきても、
どうしても一つの結論に行き着くケースがあります。

時間をかけず、確実に終わらせたい。
これ以上、空き家のことで悩み続けたくない。

この判断は、決して後ろ向きではありません。
むしろ、とても現実的です。

相続登記が整い、
共有者の意思も確認し、
維持費の負担も見えてきた。

その上で、
「これ以上、時間と労力をかけるより、整理したい」
そう考えるのは自然な流れです。

仲介には、時間が必要です。
売れるまで待つ覚悟も必要です。
そして、その間の管理と負担も背負うことになります。

一方で、買取はスピードと確実性が特徴です。
価格は仲介より低くなることが多い。
それは事実です。

ただし、
確実に終わる
引き渡しまでの段取りが明確
その後の管理や対応を考えなくていい

これらの点に価値を感じる方も少なくありません。

特に、
共有者が複数いる
遠方に住んでいる
管理の負担が限界に近い

こうした条件が重なると、
買取という選択肢は現実味を帯びてきます。

買取は、妥協ではありません。
整理の一つの形です。

大切なのは、
なぜその選択をするのか。
自分たちにとって、何を優先するのか。

価格だけで判断すると、後悔が残ります。
全体を整理した上で選んだ買取であれば、
納得感のある結論になります。

空き家の問題は、
終わらせ方を選ぶ問題でもあります。

時間をかけるのか。
確実に終わらせるのか。

その選択肢の一つとして、
買取という方法があります。


13.空き家は、急いで決めるものではない
空き家の相談を受けていると、
「早く決めなければいけない気がしている」
そう話される方が少なくありません。

周囲から言われることもあります。
早く売った方がいい。
放っておくと大変になる。

確かに、空き家は放置すれば問題が大きくなります。
ただし、それは「急げ」という意味ではありません。

大切なのは、早く売ることではなく、正しく整理することです。

相続登記はどうなっているのか。
共有者の意思は揃っているのか。
維持費はいくらかかっているのか。

この整理を飛ばして決断すると、
後から必ず立ち止まることになります。

焦って決めた売却。
よく分からないまま進めた買取。
こうした判断は、後悔につながりやすい。

一方で、
整理を重ねた上での判断は、たとえ条件が厳しくても、納得感が残ります。
仲介を選んでも、
買取を選んでも、
その選択に意味が生まれます。

空き家の問題は、
不動産の話であると同時に、
家族の話でもあります。

だからこそ、
急がず、しかし止めない。
この姿勢が大切です。

整理ができれば、道は見えます。
売るか、貸すか、終わらせるか。
どの選択をしても、前に進めます。

空き家は、急いで決めるものではありません。
正しく整理するものです。

整理の先にこそ、
仲介も、買取も、初めて意味を持ちます。


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湯 田 圭 一(ゆだ・けいいち)
(有)ユーハイム 代表取締役。1972年、東京都西東京市生まれ。
宅地建物取引士として約25年にわたり不動産業に従事。
茨城県宅地建物取引業協会 水戸支部 幹事として、地域不動産業界の発展にも注力。
空き家対策、相続不動産、事業用地のマッチングなど、実務に即した現場提案に定評がある。

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