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2026年1月16日
活用したい
【空き家・土地をお持ちの方へ】「水戸市・笠間市の市境(内原・三湯町・小原)」県立病院統合の話を聞いて「決断」を急ぐ前にやるべき整理

まず確認したい前提整理
すぐに売る話ではありません
県立中央病院とこども病院の統合移転は、確かに大きなニュースです。
内原・三湯町・小原エリアの地権者にとって、無関係ではありません。
ただし、ここで最初に整理しておきたい前提があります。
この話は、すぐに売るかどうかを決める段階のものではありません。
報道では、開院は10年以内を目標とされています。
これは、今すぐ建物が建ち、周辺が一気に変わるという意味ではありません。
実際には、
用地取得
設計
各種調整
工事
という段階を一つずつ踏んでいくことになります。
用地の取得だけでも一定の期間を要しますし、その後も準備は続きます。
つまり、
今年や来年のうちに、すべてが動き出す話ではありません。
年初になると、
「今のうちに売った方がいいのではないか」
「乗り遅れたら損をするのではないか」
そんな気持ちになるのも自然です。
しかし、大きなプロジェクトほど、勢いで判断すると後悔が残りやすい。
まず大切なのは、
時間軸を正しく理解することです。
この段階で求められているのは、決断ではありません。
準備です。
年初に必要なのは、
売るかどうかを決めることではなく、
自分の土地や建物の状況を落ち着いて整理すること。
「年初に勢いで決める必要はない」
これが、一番お伝えしたいポイントです。
① 場所の整理
自分の土地は「どの位置」なのか

県立病院の統合移転という話を聞いたとき、
多くの方がまず思い浮かべるのは、
「自分の土地は対象になるのか」という点だと思います。
しかし、この段階で一番やってはいけないのが、
曖昧なイメージだけで判断してしまうことです。
今回の建設候補地は、10〜15ヘクタールという広い範囲とされています。
そのため、同じ内原・三湯町・小原エリアであっても、
土地の立ち位置によって意味合いは大きく変わります。
まず整理したいのは、次の三つです。
一つ目。
建設予定地そのものに含まれるのかどうか。
二つ目。
直接の予定地ではないが、周辺地にあたるのか。
三つ目。
病院への動線上に位置するのか、それとも外れるのか。
この違いは、とても大きい。
用地買収の対象になる土地と、
病院ができることで周辺環境が変わる土地では、
取るべき戦略がまったく異なります。
予定地そのものであれば、
行政や関係機関との調整、
用地取得のスケジュールを見据えた対応が必要になります。
一方で、周辺地の場合、
すぐに売るという判断が最適とは限りません。
利便性の向上や人の流れの変化によって、
数年後に評価が変わる可能性もあります。
また、動線上に位置するかどうかも重要です。
JR内原駅からのアクセス、
水戸ICや国道50号との関係。
人や車の流れが変わる場所と、そうでない場所では、
土地の使われ方そのものが変わります。
ここで強調したいのは、
「同じエリアだから同じ判断でいい」という考え方は危険だということです。
地元の方ほど、
「だいたいこの辺だろう」
「きっとこの近くだから影響があるはず」
と感覚で判断しがちです。
だからこそ、地図で確認することが重要になります。
位置関係を視覚的に把握することで、
思い込みを一度リセットできます。
この章でやるべきことは、
売るかどうかを決めることではありません。
自分の土地が、
どの位置にあり、
どの立場にあるのか。
これを正確に知ることです。
その整理ができて初めて、
次の判断に進む意味が生まれます。
② 時間の整理
10年というスパンをどう考えるか
県立病院の統合移転は、短距離走ではありません。
ゴールは「10年以内の開院」とされていますが、
そこに至るまでには、いくつもの段階があります。
まず、用地取得の期間。
地権者が多く、調整も必要になるため、
ここだけでも相応の時間がかかると考えられます。
その後に設計、各種手続き、工事期間。
一気に動くのではなく、少しずつ前に進んでいくのが現実です。
つまり、
今年・来年のうちに状況が大きく変わる話ではありません。
ここで一度、視点を自分自身に戻してみてください。
10年という時間は、決して短くありません。
その間、土地や建物をどう管理していくのか。
これも重要な整理ポイントです。
固定資産税は毎年かかります。
建物があれば、草刈りや簡易的な管理も必要になります。
住んでいなくても、空き家は劣化します。
「しばらく様子を見る」
この判断自体は悪くありません。
ただし、様子を見る間にもコストは発生します。
また、10年後の自分や家族の状況も想像してみる必要があります。
仕事、住まい、家族構成。
今と同じ状況でいるとは限りません。
今は管理できていても、
数年後も同じように関われるかどうか。
この視点は意外と見落とされがちです。
時間を味方につける判断もあれば、
時間が負担になる判断もあります。
だからこそ、
「待つ」という選択をする場合でも、
その間にかかるコストと労力を把握しておくことが大切です。
待つことは、無料ではありません。
この現実を理解した上で、
どのタイミングで、どんな選択肢を取るのか。
それを考えるのが、この章の目的です。
③ 権利の整理
地権者約100人の一人として準備できているか
県立病院の統合移転は、広い用地を必要とする事業です。
報道では、地権者は約100人規模になると見込まれています。
この数字が意味するのは、
一人ひとりの事情を待ってはもらえない、という現実です。
用地取得の話が具体化したとき、
交渉のテーブルに着けるかどうかは、
土地の条件以前に「権利関係が整理されているか」で決まります。
まず確認すべきは、登記名義です。
名義が現役世代になっているのか。
それとも、亡くなった親や祖父母のままになっているのか。
名義がそのままの土地は、
売ることも、貸すことも、正式な話には進めません。
これは仲介でも、行政との用地取得でも同じです。
次に、相続登記が済んでいるかどうか。
現在、相続登記は義務化されています。
放置すればよい、という時代ではありません。
「話が本格化したら考えればいい」
そう思われる方もいますが、実務では逆です。
交渉が始まってから慌てて登記を進めようとしても、
戸籍の収集、相続人の確定、書類作成に時間がかかります。
その間に、話は先へ進んでしまいます。
さらに重要なのが、共有者の人数です。
兄弟姉妹で共有になっている場合、
全員の意思確認が必要になります。
共有者が多ければ多いほど、
調整には時間がかかります。
一人でも判断が遅れれば、話は止まります。
用地取得の場面では、
書類が整っていない土地は、後回しにされがちです。
これは冷たい話ではなく、事務の現実です。
だからこそ、この段階でやるべきことは明確です。
交渉が始まる前に、
自分の土地の権利関係を整理しておくこと。
それは、売るための準備ではありません。
話に参加するための準備です。
地権者約100人の一人として、
自分はいつでも動ける状態か。
この問いに、今のうちに向き合っておくことが、後の選択肢を広げます。
④ 情報の整理
街はどう変わるのか
大きな医療施設が移転してくる。
この事実だけを見ると、
「街は一気に発展するのではないか」
「土地の価値が上がるのではないか」
そう感じるのも無理はありません。
ただし、不動産の実務では、
街の変化は一様ではありません。
病院ができることで人の流れは確実に変わります。
医療従事者、患者、その家族。
これまでとは違う目的を持った人が、このエリアを行き来するようになります。
重要なのは、その人の流れが
どこを通り
どこに集まり
どこを素通りするのか
という点です。
今回の統合移転では、
JR内原駅
水戸IC
国道50号
これらの動線が、今まで以上に意識されることになります。
しかし、すべての土地が同じ恩恵を受けるわけではありません。
動線上にある土地と、少し外れた土地では、
将来的な使われ方が変わってきます。
また、需要の中身も一つではありません。
住宅地としての需要が高まるのか。
それとも、医療関連や事業用地としてのニーズが出てくるのか。
この判断を誤ると、
「売り時を逃した」
「用途を読み違えた」
という結果になりかねません。
ここで大切なのは、
外から入ってくる情報だけで判断しないことです。
地元に長くいると分かることがあります。
・朝夕の交通の癖
・使われていない道路
・実際に人が集まる場所と、集まらない場所
こうした情報は、地図や報道だけでは見えてきません。
地元業者としてお伝えできるのは、
「街は変わるが、均等には変わらない」
という現実です。
だからこそ、
期待だけで動かない。
噂だけで決めない。
自分の土地が、
どの流れに乗る可能性があるのか。
どの需要に近いのか。
これを冷静に整理することが、
次の判断を間違えないための土台になります。
⑤ やってはいけない判断
大きな話題が出ると、情報は一気に増えます。
今回の県立病院統合移転の話も例外ではありません。
ただ、その多くは未整理の情報です。
この段階で、次のような判断をしてしまうと、後で必ず歪みが出ます。
一つ目。
噂だけで売却を決めてしまうこと。
「近所でこういう話を聞いた」
「誰かが高く売れたらしい」
こうした話は、断片的で条件がまったく違うことがほとんどです。
自分の土地の位置、権利関係、時間軸を確認しないまま動くと、
「こんなはずではなかった」という結果になりやすい。
二つ目。
「高くなるはずだ」と考えて放置してしまうこと。
値上がりを期待して何もしない。
これも非常に多い判断です。
しかし、不動産は待てば必ず良くなるわけではありません。
時間が経つほど、
固定資産税や管理の負担は積み上がり、
建物の状態は悪くなります。
結果として、
選択肢が減ってから動くことになり、
判断がより難しくなります。
三つ目。
家族で意見をまとめないまま、業者に相談してしまうこと。
業者にとって、
誰が最終的な判断者なのかが分からない案件は進めづらい。
相談の途中で、家族間の意見の違いが表面化すると、話は止まります。
この状態で話を進めると、
後戻りできなくなるリスクがあります。
一度条件を出し、交渉が進めば、簡単には引き返せません。
さらに厄介なのが、家族関係です。
不動産の話は、お金と感情が直結します。
準備不足のまま進めると、
「勝手に決めた」
「聞いていない」
という不満が残りやすい。
やってはいけない判断に共通しているのは、
整理を飛ばして結論に向かってしまうことです。
この章でお伝えしたいのは、
動くな、ということではありません。
動く前に、整えましょう、ということです。
それだけで、
後戻りできない判断や、
家族関係のこじれは、かなり避けられます。
⑥ まとめ
決断を急がず、「知る」ことから始める
県立病院の統合移転という大きな話題に触れると、
どうしても「どうするか」を先に考えてしまいがちです。
売るのか。
持ち続けるのか。
今、動くべきなのか。
しかし、本当に大切なのは、結論を急ぐことではありません。
まずは、自分の状況を正しく知ることです。
整理すべきポイントは、決して難しいものではありません。
1.自分の土地が、どの位置にあるのか。
この計画の中心なのか、周辺なのか、動線上なのか。
2.時間軸はどうなっているのか。
10年というスパンを、無理なく受け止められるのか。
3.権利関係は整理できているのか。
名義、相続、共有の状態はどうなっているのか。
4.管理コストはどれくらいかかっているのか。
固定資産税や日々の管理を含めて、現実的に把握できているか。
5.そして、地域はどう変わっていくのか。
期待だけでなく、現実的な将来像を描けているか。
この五つが整理できれば、
売る
貸す
待つ
どの選択をしても、それは意味のある判断になります。
正解は一つではありません。
大切なのは、他人の判断ではなく、
自分や家族が納得できる形で決めることです。
決断を急がなくて構いません。
ただし、何も知らないまま時間を過ごすのは避けたい。
「知る」ことから始める。
それが、今回のような大きな変化に向き合う、いちばん健全な姿勢だと思います。
内原・三湯町・小原エリアの地権者様で、
「自分の土地がどの位置にあるのか分からない」
「今すぐではないが、少し整理しておきたい」
そんな段階のご相談でも問題ありません。
地元の業者として、中立な立場で整理のお手伝いをいたします。
📩 お問い合わせ:info@yu-haim.jp
湯 田 圭 一(ゆだ・けいいち)
(有)ユーハイム 代表取締役。1972年、東京都西東京市生まれ。
宅地建物取引士として約25年にわたり不動産業に従事。
茨城県宅地建物取引業協会 水戸支部 幹事として、地域不動産業界の発展にも注力。
空き家対策、相続不動産、事業用地のマッチングなど、実務に即した現場提案に定評がある。